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宮沢賢治

(四月の夜、とし老(と)った猫が)
友達のうちのあまり明るくない電燈の向ふにその年老った猫がしづかに顔を出した。
(アンデルゼンの猫を知ってゐますか。
暗闇で毛を逆立てゝパチパチ火花を出すアンデルゼンの猫を。)
実になめらかによるの気圏の底を猫が滑ってやって来る。
(私は猫は大嫌ひです。猫のからだの中を考へると吐き出しさうになります。)
猫は停ってすわって前あしでからだをこする。見てゐるとつめたいそして底知れない変なものが猫の毛皮を網になって覆ひ、猫はその網糸を延ばして毛皮一面に張ってゐるのだ。
(毛皮といふものは厭なもんだ。毛皮を考へると私は変に苦笑ひがしたくなる。陰電気のためかも知れない。)
猫は立ちあがりからだをうんと延ばしかすかにかすかにミウと鳴きするりと暗の中へ流れて行った。
(どう考へても私は猫は厭ですよ。)

Music
Artist: Park St Trio
Album: “Goodnight, Daylight” 3.   Flavor

Creative Commons License

Many thanks for the text :
Aozora-Bunko (http://www.aozora.gr.jp)
Original text here (http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/48203_32432.html )

Without music , Public Domain
neko_kenji


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やまとうたは、人の心を種として、万の言の葉とぞなれりける。
世の中にある人、ことわざしげきものなれば、心に思ふことを、見るもの聞くものにつけて、言ひ出せるなり。花に鳴く鶯、水に住む蛙の声を聞けば、生きとし生きるもの、いづれか歌をよまざりける。
力をもいれずして天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、男女の仲をも和らげ、猛きもののふの心をもなぐさむるは、歌なり。

Japanese text

古今和歌集 at the National Diet Library Digitized Contents  (Public Domain)
(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1071463/1)
インターネット公開(保護期間満了)

古今集 at 国際日本文化研究センター( 和歌データベース)
(http://tois.nichibun.ac.jp/database/html2/waka/waka_i001.html)
データベース トップ (http://tois.nichibun.ac.jp/database/html2/waka/menu.html)

English text

Kokinshu: A Collection of Poems Ancient and Modern by Laurel Rasplica Rodd
Hardcover, 442 pages Published September 1st 1984 by Princeton University Press (first published 1984)

Kokin Wakashu: The First Imperial Anthology of Japanese Poetry, translated by H.C. McCullough
(Palo Alto: Stanford University Press, 1984).

English introduction

The University of Virginia Library
(http://etext.virginia.edu/japanese/kokinshu/intro.html)

 

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丸山薫  (詩集 「涙した神」より)

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丸山薫
未明の馬

夢の奥から蹄の音が駆けよってくる
それは私の家の前で止る
もう馬が迎えにきたのだ

私は今日(きょう)の出発に気付く
すぐに寝床を跳ね起きよう
いそいで身支度に掛らねばならない

ああ その間(ま)も耳にきこえる
彼がもどかしそうに門の扉(と)を蹴るのが
苛立って 幾度も高く嘶くのが

そして 眼には見える
霜凍る未明の中で
彼が太陽のように金色(きん)の翼を生やしているのが


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パンガー、ホワイト・パンガー、僕たちはなんて幸せなんだろう
ふたりきり、学者と猫
お互いに、日々の仕事を持っている;
君はハンティング、僕は研究。
君の輝く瞳は壁を見つめる;
僕はしばしばする目で本を覗き込む。
君は歓喜する、その爪でねずみを捕らえたとき;
僕は喜びに打ち震える、僕の頭脳が問題を解いたとき。
自分の技に満足し、どちらもお互いの邪魔をしない;
だから僕たちはずっと、退屈や嫉妬なしで暮らしてゆく。

Version by W.H. Auden:

Pangur, white Pangur, How happy we are
Alone together, scholar and cat
Each has his own work to do daily;
For you it is hunting, for me study.
Your shining eye watches the wall;
My feeble eye is fixed on a book.
You rejoice, when your claws entrap a mouse;
I rejoice when my mind fathoms a problem.
Pleased with his own art, neither hinders the other;
Thus we live ever without tedium and envy.

Music
Artist: Daniel Estrem
Album: “Bach Cello Suites on 8 String Guitar volume 2″ 09-Suite 5 in C Minor Courante BWV 1011 (JS Bach) (2:31)

Creative Commons License

Japanese translation by kaseumin 


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古今和歌集 巻第三  夏歌(なつのうた)

題しらず 読人しらず
わが屋戸の池の藤波咲きにけり山郭公いつか来鳴かむ
この歌、ある人のいはく、柿本人麻呂がなり

卯月に咲ける桜を見てよめる 紀利貞
あはれてふ言をあまたにやらじとや春におくれてひとり咲くらむ

題しらず 読人しらず
五月まつ山郭公うちはぶき今も鳴かなむ去年のふるこえ

伊勢
五月来ば鳴きもふりなむ郭公まだしきほどの声を聞かばや

読人しらず
五月まつ花橘の香をかげば昔のひとの袖の香ぞする

いつのまに五月来ぬらむあしひきの山郭公今ぞ鳴くなる

けさ来鳴きいまだ旅なる郭公花橘に宿はからなむ

音羽山を越えける時に郭公の鳴くを聞きてよめる 紀友則
音羽山けさこえくれば郭公こずえはるかに今ぞ鳴くなる

郭公のはじめて鳴きけるを聞きてよめる そせい
郭公はつこえ聞けばあぢきなく主さだまらぬ恋せらるはた

奈良の石上寺(いそのかみでら)にて郭公の鳴くをよめる
いそのかみふるき都の時鳥声ばかりこそ昔なりけれ

題しらず 読人しらず
夏山に鳴く郭公心あらば物思ふ我に声な聞かせそ

text
古今和歌集 新編日本古典文学全集
ISBN-10: 4096580112 ISBN-13: 978-4096580110

Ryōkan 3 tanka


いかにして 君いますらむ このごろの 雪気(ゆきげ)の風の 日々に寒きに

wondering
how you are
these days-
a wind foretelling snow
gets colder each day

事しあれば 事ありと言ひて 君は来ず 事しなきときは 音信(おとずれ)もなし

when you are busy,
you send me word
you cannot come;
when you are not busy,
not a word reaches me

そのかみを 思へば夢か 現(うつつ)かも 夜は時雨(しぐれ)の 雨を聞きつつ

when I think of things past,
I wonder if they were dreams
or if they were real:
tonight I listen
to the winter rain

*Randomly picked up from ;Ryokan: Selected Tanka Haiku
Publisher: Kokodo Japan (2000) ASIN: B00407Y7DK

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