Feeds:
投稿
コメント

Ryōkan 3 tanka


いかにして 君いますらむ このごろの 雪気(ゆきげ)の風の 日々に寒きに

wondering
how you are
these days-
a wind foretelling snow
gets colder each day

事しあれば 事ありと言ひて 君は来ず 事しなきときは 音信(おとずれ)もなし

when you are busy,
you send me word
you cannot come;
when you are not busy,
not a word reaches me

そのかみを 思へば夢か 現(うつつ)かも 夜は時雨(しぐれ)の 雨を聞きつつ

when I think of things past,
I wonder if they were dreams
or if they were real:
tonight I listen
to the winter rain

*Randomly picked up from ;Ryokan: Selected Tanka Haiku
Publisher: Kokodo Japan (2000) ASIN: B00407Y7DK


download tosanikki_08

transcript

十七日。くもれる雲なくなりて、あかつき月夜(づくよ)いとおもしろければ、舟を出(い)だして漕ぎゆく。このあひだに、雲の上も海の底も、おなじごとくになむありける。むべも昔の男(をのこ)は「棹は穿(うが)つ、波の上の月を。舟はおそふ、海のうちの空を。」とはいひけむ。聞きざれに聞けるなり。また、ある人のよめる歌、

水底(みなそこ)の月の上(うへ)より漕ぐ舟の棹にさはるは桂なるらし

これを聞きて、ある人のまたよめる、

影見れば波の底なるひさかたの空漕ぎわたるわれぞわびしき

かくいふあひだに、夜やうやく明けゆくに、かぢとりら「黒き雲にはかに出で来ぬ。風吹きぬべし。み舟返してむ」といひて、舟かへる。この間に雨ふりぬ。いとわびし。
十八日。なほおなじところにあり。海荒ければ、舟出ださず。この泊り、遠く見れども近く見れども、いとおもしろし。かかれども、くるしれば、何ごともおもほえず。男どちは、心やりにやあらむ、からうたなどいふべし。舟も出ださで、いたづらなれば、ある人のよめる、

磯ふりのよする磯には年月(としつき)をいつともわかぬ雪のみぞふる

この歌は、つねにせぬ人のことなり。また人のよめる、

風による波の磯には鶯(うぐひす)も春もえ知らぬ花のみぞ咲く

この歌どもを、少しよろしと聞きて、舟のをさしける翁(おきな)、月日ごろのくるしき心やりによめる、

立つ波を雪か花かと吹く風ぞよせつつ人をはかるべらなる

この歌どもを、人のなにかといふを、ある人聞きふけりてよめり。その歌よめる文字三十文字(みそもじ)あまり七文字(ななもじ)、人みな、えあらで笑ふやうなり。歌主(うたぬし)いと氣色(けしき)あしくて、怨(え)ず。眞似まね)べどもえ眞似ばず、書けりともえ讀み据えがたかるべし。今日だにいひがたし。まして後(のち)にはいかならむ。
十九日。日あしければ、舟出ださず。

text
 土佐日記― [文庫] 紀 貫之 (著), 三谷 栄一
ISBN-10: 4044019010
ISBN-13: 978-4044019013


download tosanikki_07

transcript

十二日。雨ふらず。ふんとき、これもちが船のおくれたりし、奈良志津(ならしづ)より室津に来(き)ぬ。
十三日のあかつきに、いささかに雨ふる。しばしありてやみぬ。女これかれ、浴(ゆあ)みなどせむとて、あたりのよろしところに下りてゆく。海を見やれば、

雲もみな波とぞ見ゆる海人(あま)もがないづれか海と問ひて知るべく

となむ歌よめる。さて、十日あまりなれば、月おもしろし。舟に乘り始めし日より、舟には紅濃よき衣(きぬ)着ず。それは海の神に怖ぢてといひて。何の蘆蔭(あしかげ)にことづけて、ほやのつまのいずし、すし鮑をぞ、心にもあらぬ脛(はぎ)に上げて見せける。
十四日。あかつきより雨ふれば、同じところにとまれり。舟君節忌(せちみ)す。精進(さうじ)ものなければ、午時(むまどき)よりのちに、楫(かぢ)とりの昨日釣りたりし鯛に、錢なければ、米(よね)をとりかけておちられぬ。かかることなほありぬ。楫とりまた鯛もてきたり。米・酒、しばしばくる。楫とり気色あしからず。
十五日。今日小豆粥煮ず。口惜しく、なほ日の悪しければ、ゐざるほどにぞ、けふ二十日あまり經ぬる。いたづらに日を經れば、人々海を眺めつつぞある。女(め)の童(わらは)のいへる、

立てば立つゐればまたゐる吹く風と波とはおもふどちにやあるらむ

いふかひなき者のいへるには、いと似つかはし。
十六日。風波やまねば、なほ同じところにとまれり。ただ海に波なくして、いつしか御崎といふところわたらむとのみなむおもふ。風波とににやむべくもあらず。ある人の、この波立つを見てよめる歌、

霜だにもおかぬ方ぞといふなれど波のなかには雪ぞ降りける

さて、舟にのりし日より今日までに、二十日あまり五日になりにけり。

text
 土佐日記― [文庫] 紀 貫之 (著), 三谷 栄一
ISBN-10: 4044019010
ISBN-13: 978-4044019013


download tosanikki_06

transcript

十一日、あかつきに船を出だして室津をおふ。人みなまだ寝たれば、海のありやうも見えず。ただ月を見てぞ西東(にしひんがし)をば知りける。かかるあひだに、みな夜明けて、手荒ひ、れいのことどもして、晝になりぬ。今し、羽根といふところに来ぬ。稚(わか)き童、このところの名を聞きて、「羽根といふところは、鳥の羽のやうにやある」といふ。まだ幼き童の言なれば、人々笑ふ時に、ありける女童なむ、この歌をよめる。

まことにて名に聞くところ羽根ならば飛ぶがごとくに都へもがな

とぞいへる。男も女も、いかでとく京へもがな、と思ふ心あれば、この歌よしとにはあらねど、げにと思ひて人々忘れず。この羽根といふ所問ふ童のついでにぞ、また昔へ人(びと)を思ひ出でて、いづれの時にか忘るる。今日はまして、母の悲しがらるることは。下りし時の人の數足らねば、古歌に、「數はたらでぞかへるべらなる」といふ言を思ひ出でて、人のよめる、

世の中におもひやれども子を戀ふるおもひに増さるおもひなきかな

といひつつなむ。

text
 土佐日記― [文庫] 紀 貫之 (著), 三谷 栄一
ISBN-10: 4044019010
ISBN-13: 978-4044019013


download makuranosoushi_233

transcript

降るものは 雪。霰(あられ)。霙(みぞれ)は、にくけれど、白き雪のまじりて降るをかし。
雪は、檜皮葺(ひはだぶき)、いとめでたし。すこし消えがたになりたるほど。また、いとおほうも降らぬが、瓦(かはら)の目ごとに入(い)りて、黒うまろに見えたる、いとをかし。
時雨(しぐれ)、霰(あられ)は板屋(いたや)。霜も板屋、庭。

text

新編日本古典文学全集 (18) 枕草子
出版社: 小学館 (1997/10)
ISBN-10: 409658018X ISBN-13: 978-4096580189


download makuranosoushi_230

transcript

雪高う降りて、今もなほ降るに、五位も四位も、色うるはしう若やかなるが、うへの衣の色いときよらにて、革の帯のかたつきたるを、宿直姿にひきはこへて、紫の指貫(さしぬき)も、雪に冴え映えて、濃さまさりたるを著て、袙(あこめ)の紅ならずば、おどろおどろしき山吹(やまぶき)を出だして、からかさをさしたるに、風のいたう吹きて、横ざまに雪を吹きかくれば、すこしかたぶけて歩み来るに、深き沓(くつ)、半靴(はうくわ)などのはばきまで、雪のいと白うかかりたるこそをかしけれ。

text

新編日本古典文学全集 (18) 枕草子
出版社: 小学館 (1997/10)
ISBN-10: 409658018X ISBN-13: 978-4096580189

English translation

The Pillow Book of Sei Shonagon
Publisher: Columbia University Press
ISBN-10: 0231073372  ISBN-13: 978-0231073370


download tosanikki_05

transcript

* It does not correspond word for word but most of the sentences are the same.

九日、つとめて大湊より那波の泊をおはむとて漕ぎ出でにけり。これかれ互に國の境の内はとて見おくりにくる人數多が中に藤原のときざね、橘の季衡、長谷部の行政等なむみたちより出でたうびし日より此所彼所におひくる。この人々ぞ志ある人なりける。この人々の深き志はこの海には劣らざるべし。これより今は漕ぎ離れて往く。これを見送らむとてぞこの人どもは追ひきける。かくて漕ぎ行くまにまに海の邊にとまれる人も遠くなりぬ。船の人も見えずなりぬ。岸にもいふ事あるべし、船にも思ふことあれどかひなし。かゝれどこの歌を獨言にしてやみぬ。
「おもひやる心は海を渡れどもふみしなければ[#「なければ」は底本では「なれば」]知らずやあるらむ」。
かくて宇多の松原を行き過ぐ。その松の數幾そばく、幾千年へたりと知らず。もとごとに浪うちよせ枝ごとに鶴ぞ飛びかふ。おもしろしと見るに堪へずして船人のよめる歌、
「見渡せば松のうれごとにすむ鶴は千代のどちとぞ思ふべらなる」
とや。この歌は所を見るにえまさらず。かくあるを見つゝ漕ぎ行くまにまに、山も海もみなくれ、夜更けて、西ひんがしも見えずして、てけのこと※(「楫+戈」、第3水準1-86-21)取の心にまかせつ。男もならはねば(二字ぬはイ)いとも心細し。まして女は船底に頭をつきあてゝねをのみぞなく。かく思へば舟子※(「楫+戈」、第3水準1-86-21)取は船歌うたひて何とも思へらず。そのうたふうたは、
「春の野にてぞねをばなく。わが薄にて手をきるきる、つんだる菜を、親やまほるらむ、姑やくふらむ。かへらや。よんべのうなゐもがな。ぜにこはむ。そらごとをして、おぎのりわざをして、ぜにももてこずおのれだにこず」。
これならず多かれども(もイ無)書かず。これらを人の笑ふを聞きて、海は荒るれども心は少しなぎぬ。かくゆきくらして泊にいたりて、おきな人ひとり、たうめ一人あるがなかに、心ちあしみしてものも物し給はでひそまりぬ。
十日、けふはこの那波の泊にとまりぬ。

Many thanks for the text :
Aozora-Bunko (http://www.aozora.gr.jp)
Original text here
http://www.aozora.gr.jp/cards/000155/files/832_16016.htm)

フォロー

新しい投稿をメールで受信しましょう。

現在54人フォロワーがいます。